栽培カレンダー
すき込み
収穫時期を終えたいちごの株に「ありがとう」と言いながら、株を土にすき込むことから一年が始まります。土にすき込まれた株(残渣)は土壌微生物によって分解され、吸収した栄養をまた土に還して、次の作物に活かされます。
土壌消毒
土の中にはいちごに悪さをする菌や虫の卵などがありますので、耕作の終わった土壌を日光と温熱で消毒します。病気はすぐに広がってしまうので本当に怖いんです。消毒剤を使うこともありますが、できるだけ薬剤に頼らない方法を選んでいます。
苗作り
いちごは苗作りで8割決まると言われているくらい、苗作りが重要です。親株から出てくるランナー(ツルのようなもの)を育てて次期の苗を作ります。この時も病気にかからないように、苗づくりのハウスに病気を持ち込まないようにとても神経を使っています。
土作り
すき込んだ株の分解が進み、消毒も完了すると、いよいよ土作りです。元気な土がおいしいいちごを育ててくれます。土壌サンプルを分析して、今の土の状態を知り、良質な堆肥やもみ殻を混ぜたりして、元気で美味しいいちごが育つように工夫します。
うね立て
土の準備ができたら、うね(土手のようなもの)を立てます。うねの高さを調整したり、うねの中には水やり用のチューブを通したり、土の乾燥と雑草を止めるためのマルチを張ったりと、地味ですがとても大事な土台作りです。
植付け
ここまで来て、ようやく苗を植え付けます。ポットの苗の葉や根の状態を確認しながら、2万株を植え付けます。作業人数にもよりますが、約半月かかります。 「今年も頑張ろうな!」と気持ちを込めて。
株の管理
根がしっかり張るように天然由来の活力剤を散布したり、古い葉っぱを掻き取ったりして、株が元気になるように管理していきます。害虫は、天敵となる微生物資材を活用して、農薬の使用を抑えています。
電照と二酸化炭素
いちごは日が短くなると花芽(いちごがなる芽)を付けるという特徴があります。これを12月のいちごシーズンに合わせるように、夜も照明を当てていちごのペースをコントロールしています。
ヒーターと蜂
寒さでいちごが休眠し、花がつかず収穫時期が短くならないようにハウス内の温度管理は怠りません。化石燃料に頼りすぎないように、ハウスを二重にして井戸水をかけて保温する「ウォーターカーテン」を採用しています。
花がつき始めるとミツバチを放します。ミツバチは本当に受粉が上手なんです。人の手でも受粉はできますが、ミツバチにはかないません。均等な受粉でキレイないちごの形になります。
収穫と手入れ
やっと収穫ができます。収穫できるようになってからも、病害虫の対策や肥料の追加など、長期間、安定的に収穫できるように、いちごの状態を見ながら(いちごと会話しながら)手入れをしていきます。ここがいちご農家の腕の見せ所です。